アイリスの剣1/小田マキ


アイリスの剣〈1〉 (レジーナ文庫)
アイリスの剣〈1〉 (レジーナ文庫)

評価:★★★☆☆
2016年2月刊。初出はレジーナブックス2011年6月刊。
男と偽って騎士をしていた貴族令嬢が、女に戻って自分の元上司のもとに間諜として嫁ぐ物語。
元男装騎士の主人公ですが、予想外に自罰的な言動が多い不憫すぎる子だったので、これは幸せになるところまで見届けなければ。
陰謀と猜疑心を詰め込んだ暗い内容ではあるものの、個性的な世界観と謎めいた登場人物達が気になってぐいぐいと読ませる物語です。
まだ色々と始まったばかりの第1巻ですが、これからどんどん面白くなっていきそう。期待しています。

☆あらすじ☆
病弱な兄に代わり、フカッシャー家を継ぐために、男として生きることを決めたブルーデンス。性別を偽り、アイリス騎士団の中でも誉れ高い精鋭部隊の副隊長を務めていた。しかし父親の命により、女の姿に戻り、元上官である隊長のもとへ間諜として嫁ぐことになる。だが夫となる隊長は、突然姿を消した元部下と瓜二つの彼女の姿に動揺し、心を閉ざしてしまっていた。すれ違うふたりの想いの行方は―?男装の騎士ブルーデンスの愛と陰謀のファンタジー!文庫だけの書き下ろし番外編も収録!

以下、ネタバレありの感想です。

 

両親の意向に従い、男と偽ってアイリス騎士団雷龍隊の副隊長を務めていたブルース。
両親待望の男児が誕生したことにより、強制的に女の姿に戻され名前をブルーデンスに改めた彼女は、かつての上司であり長年の想い人であるフォーサイスのもとに嫁ぐことになる、というところから物語は始まります。

 

元男装騎士で実力もあったということなので強い女性なのかと思いきや、物語開始時点ですでに心身がボロボロにされているブルーデンス。

理不尽な要求ばかり突きつけてくる両親に逆らうこともできず、大事な兄の命を握られ、恋した人のもとに嫁ぐけれどそれは間諜という裏切り行為。
そして夫となるフォーサイスにはすでに間諜であることがバレているせいで冷たい態度ばかりとられて。

ひたすら精神的に追い詰められ、「私の責任です」ばかりを繰り返して痩せ細っていくブルーデンスの姿はあまりにも不憫で、こちらまで堪らない気持ちにさせられるほどでした。

 

フォーサイス以外のダグリード家の面々がブルーデンスにあたたかく接してくれるのが唯一の救い。
これで嫁姑問題まで勃発してたら、辛すぎて読めなかったかもしれない。

 

しかし両親の陰謀というのは騎士団の実権を握りたいということだけなのでしょうか?
ヒラルダが意味深につぶやいた「3人目」が気になるんですよねぇ。

 

陰謀と猜疑心渦巻く暗い物語でしたが、その舞台となる世界はとても神秘的な雰囲気。
有翼人種がいたり、神様が介入してくるような戦争がついこの間の話(?)だったり。
少し込み入った感じでまだ全体像がよく掴めていないのですが、続きを読んでいくうちに整理できるのかな。期待したいところです。

 

さて、最初のギスギスした雰囲気を乗り越えて、最後に歩み寄りをみせたブルーデンスとフォーサイス。
未だ正体を知られないまま、間諜としての任務も続けたまま(兄の死が確定なら放り出してしまう気もするけれど)、ブルーデンスはフォーサイスにどう向き合っていくのでしょうか。彼もまた、ブルーデンスをどうするのか。
2人の恋の行方が気になります。

 

あとは逃げたゴーシャたちも気になるけれど、まぁこいつら小物だからなぁw

 

2巻も楽しみです。

 

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