終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?5/枯野瑛


終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#05 (角川スニーカー文庫)
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前巻の感想はこちらから


評価:★★★★★
2016年4月刊。
2巻打ち切りの危機から数奇な運命を経てきたシリーズの第一部完結巻。
しかも新章第1巻と同時発売という、これまた珍しいことも起こっていました。
それはさておき、肝心の内容はというと、相変わらずの切なさ。
終盤は目頭が熱すぎて文字を読むのが辛かったです・・・・・・。
淡々と進んで、静かに穏やかに終わっていく。とてもこのシリーズらしい最終巻だったと思います。素晴らしかったです。

☆あらすじ☆
数多の犠牲によって訪れた平穏。終末に零れる涙。シリーズ完結。
ヴィレムは約束を守れず〈月に嘆く最初の獣〉(シヤントル)の結界は崩壊した。正規勇者(リーガル・ブレイブ)の命と引き替えに長い眠りについていた幼い星神(ほしがみ)は、その余波で空魚紅湖伯(カーマインレイク)とはぐれ、記憶を封じられたびれむと共に仮初めの平穏な日々を過ごす。その日、〈穿ち貫く二番目の獣〉(アウローラ)が浮遊大陸に降り注ぐことになるまでは――。〈獣〉に対するのは、アイセアとラーントルク。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、終末最期の煌めき。次代に受け継ぐ第一部、幕。

以下、ネタバレありの感想です。

 

前巻が悲劇から始まって悲劇で終わったので、どうなるのかとドキドキしながら手に取った第一部完結巻。

読んでみると意外にも穏やかな雰囲気で「あれ?」と思いましたが、それがまたこのシリーズらしいというか。
強烈に感情を揺さぶるというよりも、ただ淡々と哀しい事実を積み上げて気づけばポロポロ泣いてしまっている。そんなシリーズだった気がします。

 

さて、最終巻ということもあって、様々な謎が明らかになりました。
星神の正体とか(師匠にびっくり)、人類種の起源とか、黄金妖精とは何かとか。
伏線が回収されたことへのカタルシスよりも、真相の切なさに虚しい気持ちになりますね・・・・・・善悪二元論の単純な話だったらどれだけ楽だったか。

 

そんな、もうどうしようもない物語の中で、必死に足掻き続けてきた主人公ヴィレム。

記憶を失ったままエルクと一緒に優しい世界にいても良かったのに、最後まで彼らしく一生懸命に戦い抜いたのが印象的でした。
最後の戦いは泣くしかなかった・・・・・・前巻ラストでヴィレムが人でなくなったときはどうなるのかと心配していたのに、そうなった自分すらも少女達の未来のために使い尽くすとか、もう・・・・・・。
時折聞こえてくるクトリの言葉がまた切なくて(´;ω;`)

 

どこまでも切なくて、けれど穏やかに終わりを迎えたヴィレムの人生。
最終章の見開き扉絵で満足そうに笑うヴィレムに、さらに目頭が熱くなってしまいました。きっと本当に満足だったんだろうなぁ・・・・・・。

 

個人的には完全無欠のハッピーエンドが大好きだし、主要人物の誰かが死んでしまうのも耐えられないのですが、この作品はそういう苦手意識を超えて「読んで良かった」と思わせる力がある作品でした。
まぁクトリの喪失はつらすぎたし、これ以上の悲劇は心が折れそうとか思って、この巻を読むのも相当勇気が必要だったのですが。でも読んで本当に良かったし、結末まで見届けることができて本当に幸せでした。

 

終わりゆく世界の寂しさと、そんな哀しい世界で生きていく人々の強さと優しさに、最後まで思う存分浸ることができて満足。
とてもとても素晴らしい最終巻でした・・・・・・と締めたいところですが、同時発売の新章を読まねばなりません。
一体どんな物語が新たに始まるのか。また悲劇か。悲劇なのか((((;゚Д゚))))

とりあえず最後の最後で出会った(再会した?)青年と少女のことが気になって仕方ないのですが、出てくるかな?

 

それでは新章に行ってきます!

 

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