花の乙女の銀盤恋舞


『花の乙女の銀盤恋舞』(吉田周著/講談社X文庫ホワイトハート)★★★★☆

花の乙女の銀盤恋舞 (講談社X文庫ホワイトハート)
花の乙女の銀盤恋舞 (講談社X文庫ホワイトハート)

2016年3月刊。
アイスダンスをモチーフにした競技「氷舞闘」に挑む幼なじみカップルの物語。
初恋をこじらせたヒーローにニヤニヤしたり、身近すぎて鈍感になってしまうヒロインにハラハラしたりと、すれ違うふたりが微笑ましい初恋ものでした。
色々と頑張るヒーローを健気とみるかヘタレとみるかはさておき、その動機が可愛すぎて悶えましたw
肝心のアイスダンスシーンは、神話を氷上に表現していくという情景の美しさが素晴らしいものでした。
糖度も十分に高いし、これは良い少女小説ですね!
ちなみに、前作「氷闘物語 銀盤の王子」の8年後の物語でしたが、前作未読でも問題なく楽しめました( ´ ▽ ` )ノ

☆あらすじ☆
スモンの姫君、ロザリーアは、まだ恋を知らない。一方、幼なじみの貴公子リクハルドは、幼い頃からずっとロザリーアのことを想い続けていた。容姿端麗、頭脳明晰、しかも氷闘の現王者、リクハルド。天が二物を与えた完璧王子なのに、内面は傷つきやすく臆病で、自分の気持ちを伝えることがどうしてもできない。この二人が、男女が組みになって滑る「氷舞闘」に、挑戦することになった。祖国の発展のために著名な氷闘士になるのが夢だったロザリーアは、リクハルドの恋心に気付かぬまま、無我夢中で鍛錬にあけくれる……。個性的な登場人物たちに彩られながら、銀盤の上の魔法が、少しづつ少しずつ不器用な二人の心を寄り添わせていく。いじらしく、可笑しく、可憐な初恋物語。

以下、ネタバレありの感想です。

 

田舎領主の妹であるロザリーアは、氷闘で有名になって地元興しをするという夢を叶えるため、男女がペアになって滑る「氷舞闘」に挑むことに。
ロザリーアとペアを組むのは、氷闘の現王者である幼なじみリクハルド

物語は、ペアの実力差に悩みつつ将来離れていくリクハルドへの気持ちを持て余すロザリーアの初恋と、さっぱり想いに気づいてくれない彼女をどうにか振り向かせようとするリクハルドの奮闘を描いていきます。

 

本作で重要な要素となるのは、男子フィギュアがモチーフの個人競技「氷闘」と、アイスダンスがモチーフの新競技「氷舞闘」
氷闘については前作でメインとして扱われたそうですね。チラッと出てきたリクハルドの氷闘シーンがなかなか良かったので前作も期待できそう。
前作主人公のロジオン王子も楽しそうなキャラでしたし。

 

さて、今回は新競技である氷舞闘の物語。
アイスダンスの優雅さにときめいたり、ペアの距離感にドキドキできるお話でした。
スケーティングやその練習風景についても、小説で読むのが個人的には新鮮で楽しかったです。

フィギュアならではの芸術性の表現も良かった。
神話の登場人物に自分たちを重ね合わせながら滑るロザリーアの心境と、神話の情景を氷上に表現していくスケーティングの技術。
それが組み合わさることで生まれる美しいアイスダンスシーンだったと思います。
すごく繊細で神秘的なシーンだっただけに、最後のあどけない笑顔の落差がすごい。でもそこがまた素敵でした。

 

アイスダンスものとして十分に面白かったのですが、幼なじみの初恋物語としてもすごく好みだった本作。
特に、こじらせすぎて健気でヘタレなリクハルドの恋に始終ニヤニヤさせられっぱなしでした(´∀`*)
ただ、テオドルが言っていたけれど、リクハルドの愛は深刻すぎてちょっと怖いw これは一歩間違うとヤンデレに落ちるタイプに違いありません。

 

ロザリーアについては、あからさまなんだから気付けよ!と思いつつも、幼なじみを思いやる彼女の優しさが遠因でもあるわけだしウーン、というもどかしさが楽しかったです。
鈍感すぎて地雷をバンバン踏んでいくのはハラハラしましたが(;・∀・)
ロザリーアから「かっこいい」と言ってもらうためにリクハルドは頑張ってスペックを上げてきたのに、やっと言ってあげたと思ったらよりにもよってそこかと。不憫すぎるからやめて差し上げてw

 

主役2人を取り囲む他のキャラクターも魅力的でした。
特に絡み酒で泣き上戸が発覚した部下の面倒をみてあげたマティアスさんは上司の鑑だと思う(真顔)

 

ストーリーもキャラも糖度も楽しめる良い少女小説でした。
前作も読まなければ!

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