境界探偵モンストルム


『境界探偵モンストルム』(十文字青著/ノベルゼロ)★★★☆☆

境界探偵モンストルム (Novel 0)
境界探偵モンストルム (Novel 0)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2016年3月刊。
青先生の新作はぴりっと苦い後味のハードボイルド小説。
人ではない異形が存在する世界を舞台に、境界絡みの事件を扱う探偵が主人公の物語です。
シリーズものの最初の事件簿という雰囲気で、まだ世界観についても主人公自身についても全容がみえてきませんが、続けばどんどん面白くなりそうな予感。
アクが強い個性的な登場人物たちの賑わいが楽しく、ちょっとヘタレ気味だけど芯の通った主人公はとても格好良かったです。
この不可思議な世界と人々をもっとよく知るために、シリーズ化を期待しています!

☆あらすじ☆
境界。異形。謎。探偵。吸血鬼。異界。闇。人狼。異種。――クズ。
狭間探偵事務所をある日一人の客が訪れる。依頼は失踪した妹の捜索。――だが。新興暴力団による拉致監禁暴行。不法移民。人身売買の国際組織。そして――“異種”の痕跡。事件は“彼ら”に纏わる様相を帯び――?

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語は、無法地帯な都市周縁部「OB」で探偵事務所を営む狭間ナルキヤのもとに、男と共に失踪した妹を探して欲しいという依頼が持ち込まれる、というところからスタートします。

 

アウトローな領域をホームグラウンドとする探偵って格好いいですよね。なんかすごくハードボイルド感。
警察も治安維持を放り投げた場所で身一つで探偵業をするのだから狭間は腕っ節が強いのかな? とか思っていたんですけど、全然そんなことなくてちょっと笑ってしまいましたw
すぐに拉致されて暴行されて反撃もできず・・・・・・あれ? むしろ弱い?? とびっくり。

 

しかし狭間が格好いいのはそういうフィジカルなところではなく、もっと深い人間性の部分なのです。
どれだけ痛めつけられて、頭の中ではあっさり白旗をあげていても、それでも実際には折れずに探偵としての矜恃を守る狭間。
守秘義務大事ですからね。そう簡単に口は割れませんよ。でもそれが出来るところが格好いい。
ぐるぐるとヘタレたことを考えていても、芯の部分がブレないんですよね。
ああ、こういう主人公すごく好きだなぁ。

 

そんな狭間の相棒(?)となるのが半吸血鬼の逆白波アロヲ
狭間がしょっちゅう拉致られているせいで、ヒロインのピンチに駆けつけるヒーローみたいな役回りが目立っていた気がしますw
クソクソ罵りながらちゃんと助けに行くとかツンデレか。
狭間との仲が悪い(ように見えて実は仲良し)兄弟みたいな雰囲気にニマニマしてしまいましたw
しかし男が男に吸血行為か。ラノベならアロヲは女の子なんだろうなー。ここらへんにノベルゼロの特徴がみえてちょっと面白かったり。

 

狭間やアロヲだけでなく、他のOBの住人たちも個性派揃い。
狭間の交友関係の広さがすごい。人脈を駆使するタイプの探偵なんですね。
アウトローな奴らが仲良くワイワイ騒ぐスナックの雰囲気が読んでるだけでも楽しかったです。中に加わりたくないけど外から眺めていたいw

 

さて、そんな個性的なキャラに助けられながら狭間が挑んだ今回の事件。
単なる人探しではなく、徐々に「境界の住民」の存在が見え隠れしてくる展開にドキドキしました。が、結末は予想以上に苦い・・・・・・(´・ω・`)

 

結局、「境界」とは何なのか?
「境界の住民」はどこからくるのか? どこにいるのか?
まだまだ謎の多い世界ではありますが、すでに「境界の住民」の存在が受け入れられている魔境っぷりにゾクゾクします。

 

狭間自身についてもまだ謎が多い状態。
彼の心の傷となっている過去の事件がチラチラして好奇心を煽られました。というか、狭間って人間?
しかしあのトラウマシーン、エグかったな・・・・・・。

 

瑠理ちゃんとの確執も気になりますし(途中で出てきたのは父親かな?)、ぜひシリーズ化してほしい新作です(*゚▽゚)ノ

境界探偵モンストルム (Novel 0)
十文字 青
KADOKAWA/メディアファクトリー
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「境界探偵モンストルム」への2件のフィードバック

    1. もちこさん、コメントありがとうございます。

      ですねw
      並行してるシリーズの刊行ペースが崩れないようにこっそり祈っていますヾ(´∀`ヾ)

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