夜明けのヴィラン 聖邪たちの行進


『夜明けのヴィラン 聖邪たちの行進』(地本草子著/集英社ダッシュエックス文庫)★★★★☆

夜明けのヴィラン 聖邪たちの行進 (ダッシュエックス文庫)
夜明けのヴィラン 聖邪たちの行進 (ダッシュエックス文庫)

2016年2月刊。
すごく面白かった!!
ヒーローが崇拝されヴィランが憎悪される街を舞台にした、アメコミ感満載のヒーローアクション。
「ヒーローとは究極的に善の存在であり、その成す行為は善である。」
この一文にゾワゾワくるものを感じたら是非読んでほしい。
ヒーローとヴィラン、正義と悪。その対立の中で生まれる新たなヒーローの物語です。
今回の事件そのものは一応綺麗に終わっていますが、気になる伏線もあるので是非シリーズ化してほしいです!

☆あらすじ☆
悪役(ヴィラン)は正義の夢を見るか? 僕の中に、最凶最悪の悪役(ヴィラン)が棲む――
超人的な力を生み出す器官–〝チャンバー〟の発見により、ヒーローとヴィランの存在が科学的に証明された世界。ヴィラン排除の気運が高まる中、リアクタ・シティに住む高校生シンザキ・ユウマは、最凶最悪のヴィラン、エヴィルエンドの息子として生まれ、その能力を受け継いでいることを世に暴かれないか恐れていた。だがヒーロー殲滅を叫ぶヴィラン、Dr.デブリードマンによる市民への無差別攻撃から、子どもを救ったことをきっかけに、ユウマは同級生のヒーロー、キョウノ・アカリに目をつけられ、やがてヒーロとヴィランの境を超えた壮大な戦いへと巻き込まれていく……善と悪が交錯する新たなヒーロー伝説ここに誕生!

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語の舞台となるのは、強い自治権が認められたリアクタ・シティ
そこは超人機関に支援されたヒーロー達が守る街。
その「ヒーロー」という存在を憎むDr.デブリードマンが街を襲撃したことによって、高校生シンザキ・ユウマは隠してきたヴィランの力を行使する選択を迫られる、というのが本作の大まかな流れとなります。

 

序盤のDr.デブリードマンVSペイトリオットからすでにアメコミ感が爆発していて面白すぎでしたw
ペイトリオットの戦い方が真面目にふざけているのがすごく楽しい。「ブッシュ・ジュニア」が自爆装置なのはどんな意図があるんでしょうねぇ(・∀・)

 

この序盤のアメコミヒーローバトル感は最後までしっかり貫かれていて、絶妙にダサいヒーローとか(フラにコサックw)、バトル中に小粋な軽口をたたき合うところとか、アメコミハリウッド映画を彷彿とさせてニヤニヤしてしまいました。

 

ちなみに、どう見てもアイアンマンなワーニングマシンについては、(赤井てらさんのイラストがあったにも関わらず)脳内でロバート・ダウニー・Jrを配役。残念イケメン中年の完成!と一人キャッキャできて楽しかったです(´∀`*)
このワーニングマシーン、作中でもユウマ以上に存在感を発揮していてすごく好きでしたw

 

もっと私がアメコミに詳しければ、他にオマージュのネタ元が分かったのかも知れないのになぁ。そこが少し悔しい。続編出たら是非バットマンをよろしくお願いします。あれだけは大好きなんだ。

 

そんな個性溢れるヒーローたちの中、最初は外野にいたユウマを物語の中心に連れて行くのが「ブレイザーガール」キョウノ・アカリ
アカリはとにかく格好良かったです。
正義と悪の境目がブレて、許しがたい真実を突きつけられても、それでも自分の正義を貫こうとする姿がとても勇ましくて美しいヒロインでした。

 

アカリの戦いに巻き込まれていく形で、ヴィラン「エヴィルエンド」としてDr.デブリードマンと戦うことになるユウマ。
その闘いの中で、「ヒーローは正義でありヴィランは悪である」という絶対的な価値観へ疑問が投げかけられていく展開は、とても面白かったです。

何をもって正義とするのか、ヒーローとヴィランを分けるものは何なのか。
本当に「ヴィラン」といえるのは誰なのか。

こういうのがヒーローものの醍醐味だと個人的には思うのです。既存の価値観を破壊した上で、自分の中の正義を見極める。
都合良く使われがちな言葉であっても、「ジャスティス・イン・ユー」は真理といえるのではないでしょうか。まぁ、最後にまた不穏な使われ方をしてしまいましたが。

 

良いヒーローものでした。
一応は綺麗に話がまとまっていますが、最後の引きを考えるとナンバーズとの戦いという形で続編も作れそうです。というか作って欲しい。
ユウマの父親に何があったのかも知りたいですし。

 

あとラブコメの方も気になりますしね!
大切な幼なじみのクリス・サアヤと、ヒーロー仲間のアカリ。
ユウマはどちらを選ぶんでしょう?今のところサアヤ優勢な気もするけれど、アカリの存在感は侮れない。

 

2巻を楽しみに待っています!

スポンサーリンク
 
0

「夜明けのヴィラン 聖邪たちの行進」への2件のフィードバック

    1. 茶一こりんさん、コメントありがとうございます。

      さすがにアメコミそのままなストーリーではありませんが、オマージュ的な部分が多いのでアメコミを読む人ならより楽しめるんじゃないかと思います(*゚▽゚)ノ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。