ゴブリンスレイヤー


『ゴブリンスレイヤー』(蝸牛くも著/GA文庫)★★★★☆

ゴブリンスレイヤー (GA文庫)
ゴブリンスレイヤー (GA文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2015年2月刊。
私事ですが、2日ほど胃腸炎に苦しんでました。本を読めないのが一番辛かった。
未だ微妙に残る吐き気にウンザリしながら、ラノベ読み復帰第1弾に選んだのがこちら。
選択ミスったかもなぁと泣きそうになるくらい、グロい。エグい。ムゴい。
うっうっ・・・・・・となりつつどうにか読み切ったのですが、いやもうすっごく面白かったです!選択ミスじゃなかった!
最弱の怪物であるゴブリンを殺すだけの存在「ゴブリンスレイヤー」。
同じ冒険者から見ても異質で奇矯な彼が、どのようにしてゴブリンを狩るのか、なぜゴブリンを狩るのか、そしてその先に何を見るのかを描く物語。
醜悪な怪物にゾッとさせられる作品でしたが、終盤へのカタルシスに胸が熱くなりました。
綺麗に話は終わっているのですが、続きが出るとのこと。楽しみです(^^)

☆あらすじ☆
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった。
彼は手段を選ばず、手間を惜しまずゴブリンだけを退治していく。そんな彼に振り回される女神官、感謝する受付嬢、彼を待つ幼馴染の牛飼娘。そんな中、彼の噂を聞き、森人(エルフ)の少女が依頼に現れた――。
圧倒的人気のWeb作品が、ついに書籍化! 蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー、開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

数ばかりが取り柄の、最も弱いとされる怪物「ゴブリン」。
熟練の冒険者には相手にされず、新米冒険者の腕試し相手とされる怪物。
本作は、そんなゴブリンだけをひたすら退治していく冒険者ゴブリンスレイヤーの戦いを描く物語です。

 

(某アニメ化作品の影響で)最初に女神官が招かれたパーティーでの「ゴブリン=超弱い」という考え方に疑問視どころか恐怖しか感じなかったのですが、それすらも上回るゴブリンの醜悪さにゾッと鳥肌が立ちっぱなしでした。

 

純粋に悪意しか持たない怪物ってこういう存在なのかな、と。

 

物語の中でそれこそ執拗に丁寧に描かれるゴブリンの残虐非道な蛮行の数々。
尊厳を蹂躙され尽くした犠牲者の姿に、本当に吐き気がこみ上げて堪らない気持ちにさせられました。

 

ここまで非道なことをする怪物を最弱だからといって放置するの!?と思っていたら、途中で答えが書いてあって何だか微妙な気持ちに。

出目が悪くて死ぬなら、せめて相手はドラゴンが良い。

いつ死ぬかも分からない冒険者という職にあって、熟練者が相手にするだけで笑われるようなモンスターと命がけで闘うよりは、派手な敵とやり合って華々しく散りたいということなのでしょうか。
ゴブリン討伐の賞金が安いっていうのも大きな理由なんでしょうけどね。うーん。世知辛い。

 

「割に合わない怪物」であるゴブリン。
そういう冒険者の常識がわかってくると、ゴブリンを好きこのんで討伐し続けるゴブリンスレイヤーの異質さがより浮き上がってくるわけです。

なぜ彼はゴブリンを狩るのか。どうしてそこまで執拗にゴブリンを殲滅しようとするのか。

幼なじみである牛飼い娘との過去や、彼自身が「ゴブリン」のたとえ話で語った内容から、少しずつ明らかになるゴブリンスレイヤーとゴブリンの因縁。
それは、この世界ではとてもありふれた悲劇なのかもしれません。

しかし当事者である彼は忘れないし許さない。

同業の冒険者にあざ笑われても、変人扱いされても、ゴブリンをひたすら狩り続けるゴブリンスレイヤー。
その姿はとても孤独で、壊れていて、手際よくゴブリンを狩る姿は頼もしく感じるのに、同時に危うさも感じてとてもハラハラさせられました。
彼自身が悩んでいたように、こんな孤独な戦いを一体どこまで続けるつもりなのかと不安になってしまうのです。

 

だからこそ、彼が女神官や妖精弓手たちと少しずつ距離を縮めていく過程に人間らしさを垣間見て安堵して、最後のゴブリンロード戦で仲間を募るシーンに胸が熱くなるくらいカタルシスを覚えるんですけどね!
あの討伐依頼のシーンは、本当にすごく良かった。
直前の牛飼い娘との会話も良かったのですが、やはりあの依頼シーンは彼のこれまでに意味があったことの証明になっていたと思うので。助けを得られずに迎えた過去の悲劇を考えると、無性にこみ上げるものがあります。

 

集った冒険者たちを仲間と言って良いのかはわからないけれど、それでもあの瞬間に確かな一体感が生まれていたのは事実。
素直になれない冒険者たちのツンデレっぷりにニヤニヤしてしまいましたw

 

そのストイックなまでの生き様で世知辛い冒険者の心を動かし、自身を神のサイコロが決める運命から外してしまったゴブリンスレイヤー。
そんな彼が最後にようやく口にした「冒険者になりたい」という願いは、彼にどんな運命をもたらすのでしょうか。
誰にも結末がわからない彼の運命がこれからどうなるのかとてもワクワクします。

 

ところで、この話が続くとしてラブコメ的なものは期待しても良いんでしょうか。私的には牛飼娘を押したいのですが(女神官ちゃんも捨てがたい)

 

何はともあれ、2巻を楽しみに待ちたいと思います。

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「ゴブリンスレイヤー」への4件のフィードバック

    1. 茶一こりんさん、コメントありがとうございます。

      ですよねw
      グリムガルとは方向性が違うゴブリン狩りの話でしたけど(ゴブリン狩りに特化したプロフェッショナルの話なので)、グロいのOKならこちらもオススメですよー(^o^)

  1. タイトルと表紙で買ったらひっくり返されましたよこの作品
    グリムガルでやってるのが初歩に思えてしまうゴブリン特化っぷり、しかも序盤まではソロってどういう事なんでしょう…
    主人公のブレなさが印象的なので、続巻が出て欲しいような、ここで終わっても綺麗なような満足感がありますよね

    1. 与一さん、コメントありがとうございます。

      まさかゴブリン退治だけでここまでプロの業が拝めるとは…って感じでしたよね(・ω・;)
      ソロってところに彼の狂気を感じてゾクゾクしましたw

      続きは本当にどうなるんでしょうねー。ゴブリン退治だけだと話を広げるのは無理がありそうだし、かと言ってゴブリン以外を狙うとなるとタイトルから離れるし……。
      この巻が綺麗に終わっているだけにちょっと怖さもありますけど、きっと期待に応えてくれると信じてますヾ(´∀`ヾ)

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