インスタント・マギ


『インスタント・マギ』(青木潤太朗著/ノベルゼロ)★★★★☆

インスタント・マギ<インスタント・マギ> (NOVEL 0)
インスタント・マギ (NOVEL 0)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2016年2月刊。
科学によって魔法を解き明かすファンタジックなSF小説。
あまり読みやすいとは言えない作品なのですが、テンション上がるくらい面白かったです。
魔法をインスタントに使える技術を発明した科学者を巡り、魔女達が死闘を繰り広げる物語。
そして同時に、科学者とJK魔女のうぶでロマンチックな恋を描く物語です。
魔女達の派手で陰惨な魔法バトルは迫力があるし、そんな「魔法」に対する科学的アプローチは読み応えあり。
魔法を徹底的に蹂躙する主人公のピュアな狂気が鳥肌モノなのですが、そんな彼のラブコメには萌え転がされましたw
一応は綺麗に終わっているものの、是非シリーズ化してほしい新作です。

☆あらすじ☆
青年の《科学》が《魔法》に到達した日、彼を巡る魔法使いの戦争が始まった
科学者の青年が、魔法陣の映像電子ドラッグで脳にストレスを加え、一時的に超能力者《インスタントな魔法使い》になる方法を発明した。それが原因で、青年を巡る本物の《魔法使い》の戦争が引き起こされて……?

以下、ネタバレありの感想です。

 

魔法陣の映像を目に焼き付け、視覚から脳を刺激することで一時的に魔法を使えるようにするインスタント・マギ(IM)
その発明者である大学院生茶海星从郎(セイジ)は、IMの存在に対して真っ向から分裂した魔法使いたちの争いに巻き込まれていくことに。

IMによる破滅を恐れる魔道士に命を狙われ、IMに可能性を見出す錬金術師によって守られることになったセイジ。
サディスティックな魔女の戦い(痛い痛い痛い・・・っ)に翻弄されながらも、セイジは魔法という現象を科学的に解き明かしていくのです。

 

多種多様な魔法が乱舞するファンタジーでありながら、骨太なSF小説として完成されている本作。
それもこれも、魔法によって何か不思議な現象が起こる度に、セイジがぶつぶつぐるぐると科学的アプローチを仕掛けていくため。
箒や煙や反響といった個性的で幻想的な魔法も、セイジにかかるとロマンが吹っ飛ばされてしまいます(;`・ω・)

 

子どものように純粋な好奇心と探究心の赴くまま、問答無用で魔法から神秘のベールを剥ぎ取っていくセイジ。
拉致されて命の危機すらある状況にもかかわらず、目の前の「魔法」を「科学」で蹂躙しないと気が済まないセイジの姿は、魔女が畏怖する「科学者」という名のバケモノそのもの。
魔法バトルの凄まじさを散々見せつけた上で、セイジの科学が魔法を圧倒した瞬間の高揚感たるや大変なものでした。痛快すぎて鳥肌がブワリ。

 

そんなセイジが生み出したIMは、魔法使いたちの世界を破壊する力を秘めたブラックボックス。
最初は、誰でも魔法を使えるようになるから?とか思っていたのですが、IMの可能性はそんな可愛げのあるものではないことが終盤で発覚。割と本気でセイジは爆弾なんだなぁと呆れてしまいました。
彼のIMは魔法使いたちにとって救いとなるのか滅びとなるのか。どちらにも簡単に転びそうなところが怖い。

 

魔法SFとして読み応えたっぷりな本作ですが、登場人物達が織り成す人間ドラマもとても面白かったです。

 

まずなにより、JK魔女ゼラ・レーベルウィングとセイジのラブコメが最高でした。ラブロマンスと言っても良い。

なぜゼラはセイジに恋したのか。なぜ彼女はセイジの好意を確信しているのか。

その点に引っかかったままゼラの熱烈アプローチにたじたじするセイジを笑っていたのですが、明かされた理由に心臓を撃ち抜かれてしまいました。

なんてロマンチック!!

それは恋せざるを得ないわ!仕方ない!っていうかセイジ可愛いな!!って大興奮で床掃除しちゃったじゃないですかー((└(:3」┌)┘))

今まで読んだ中で一番ロマンスを感じる一目惚れかもしれない。これ良い。すごく良い。大好き。

 

そしてバレ発覚後に微妙に開き直ったのか、セイジがフィンランド語で愛の爆弾を落とすから私の萌えメーターが振り切れんばかりでした。
こいつ・・・・・・!わんこのくせにやりよる・・・・・・!

 

はぁ、すっごく楽しいなこれ((└(:3」┌)┘))

 

セイジとゼラの恋の話に大興奮だったのですが、他の魔女達の物語も印象的なものばかり。
悲しい結末になってしまったけれど、美しい友情を貫いたイザラユナ
残虐なサディストのくせに、憎みきれない側面だけが心に残るエレノア
一体パソコンに何が入っていたのか気になって仕方ないヒロセ(「愛した人のために」って・・・・・・あれ?え??)

登場する魔法使い達はそれぞれが信念を持って生きていて、だからこそ彼らの交錯と衝突にドラマが生まれるのでしょうね。
もっと他の魔法使いたちも見てみたいなぁ。きっとまたドSが出てくるんだろうなぁ。

 

そんな感じで設定・キャラ・ストーリーと花丸を押しつけたいくらい面白かった本作。
ただ、いかんせん、読みづらい。
表現技法が独特だし、時系列は奔放に飛ぶし、地の文の視点はたまにブレる・・・・・・。
ううむ。これもまた作品の味ではありますけど、合わない人は合わないかもしれない。
個人的には読むのが大変ではありましたが、再読時にはすんなり読めそうな予感もあります。

 

ちょっと気になる部分はあったものの、総評すると面白い作品でした。
シリーズ化待ってます!

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「インスタント・マギ」への8件のフィードバック

    1. 茶一こりんさん、コメントありがとうございます。

      買いましょう!ちょっと最初分かりづらい部分もありますけど、面白いですよ~( *´艸`)

  1. 同じ作者の「ガリレオの魔法陣」もオススメです
    まぁ この作品よりもかなり読みにくいですが、同じような新しい魔法理論の話なので、本作を気に入ったならいけるかも?
    でも、今から探してこの本を見つけることができるのかな・・・
    あと、個人的に作者の原作マンガの「℃りけい」が好きです

    1. E=ROさん、コメントありがとうございます。

      インスタントマギを読んで前作もちょっと気になっていたところでした。オススメありがとうございます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
      ただ電子化されていないみたいなので、気長に探してみるしかないかもですねー。

      マンガはノーチェックでした。こちらは電子化されているみたいなので、読んでみますヾ(´∀`ヾ)

  2. 「ガリレオの魔法陣」にもそういえば「でかくてだめな犬」と言われるカワいい男が出てきますねw

    1. 通りすがりさん、コメントありがとうございます。

      でかくてだめな犬ww
      どうしようとても読みたくなってきました(>ω<`)

  3. 「ガリレオの魔法陣」は本作よりもかなり読みにくいのと
    後半くらいまで読まないと魔法の理論が想像しにくいので、覚悟しておいて下さい
    でも、面白い魔法理論なので、理解できたら面白いですよ

    あと、「℃りけい」は理系女子の日常系ギャグ漫画なので、作風はまったく違うため注意です(笑)

    1. E=ROさん、コメントありがとうございます。

      なるほど、インスタントマギよりも読みにくいなら相当な難敵ですね……覚悟しておきます(`・ω・´;)

      理系女子の日常というのも、それはそれで面白そうです(-^艸^-)

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