棺の皇国 獣なる魔道士たちの宴


『棺の皇国 獣なる魔道士たちの宴』(天海りく著/ビーズログ文庫)★★★☆☆

棺の皇国 獣なる魔道士たちの宴 (ビーズログ文庫)
棺の皇国 獣なる魔道士たちの宴 (ビーズログ文庫)

軍隊の上司部下カップルものということで「これは少女小説的バトルファンタジーきたか!?」と意気込んで読んでみたのですが・・・・・・予想を大きく外しました。
面白かったんですが、表紙とあらすじからはちょっと想像つかない感じに暗い話です。主役カップルはアブノーマルだし。ただ、ややバトルジャンキー入ってるヒロインは好みでした。

☆あらすじ☆
甘噛み上等!? 猛獣注意! キケンすぎる魔道士たちの、戦いの幕が上がる――!!
白と黒の魔道士が争うグリザド皇国。身寄りがないリリーは挑んでくる相手を全て跳ね返してきた――第二皇子バルドと出会うまでは。
初めての負けを経験してから七年。無口で無愛想、『雷獣』と恐れられるバルドは将軍に、リリーは補佐官となって戦場を駆け抜ける!
孤児と皇子。いつか離れるとしても、戦うことが全ての二人は身を寄せ合うが、第一皇子ラインハルトの命で関係は一変し……!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

舞台となるのは、皇家が二分し、内乱を繰り広げるグリザド皇国。そして主人公達が所属するのは敗北間近のハイゼンベルグ家。ということで物語は敗戦ムードと裏切りへの疑心暗鬼に満ちていて、とても暗いです。ほんとびっくりするくらい灰色な空気漂う作品でした。
表紙はあんなに好戦的に笑ってますが、主人公達が常に抱える諦めの感情がとても重苦しくて、作中で笑っている描写は数えるほど。暗い、暗すぎるよ!!(((( ;゚д゚)))

 

主人公リリー・アクスは孤児でありながら、第二皇子バルドの補佐官を務める少女。
高い魔力を持つ者は高貴な血筋の可能性が高い、という設定があるからにはリリーの出自には何らかの秘密があるのでしょうが、今回はそこまで明らかにはなりませんでした。敵方の皇族関係者の可能性があるよね、って示唆されたくらいかな?あと神器の真贋を見極められたところとかか。

 

リリーとバルドの関係はとてもアブノーマル。ていうか獣でした。
甘噛みって・・・・・・手とか首とか噛んだり、寂しくなったらキスしたりって・・・・・・17歳と21歳でしょ?誰か間違ってるって教えてやってよ(クラウスお前だよ)!
かつてない距離感のふたりに、萌えるっていうより鳥肌がたちました。なんか怖い。
ただ、コミュ障なふたりが共依存の関係にあることをこれ以上ないくらい表現できる描写であることは間違いないです。それに、ふたりの身分に天地の差があることの切なさが倍増しますしね。

 

いずれ皇国のトップに立つバルドがコミュ障でリリーにしか心を開かないのはまずい。ということで病弱の皇太子ラインハルトがとったのはバルドに妃を娶せることでした。

 

今回は、バルドとの関係に別の女性が入ってくることで、リリーは彼への想いを自覚していく、という感じのストーリーになっていましたが、それ以外の状況は何一つ変わってないんですよね。

 

バルドとリリーの関係には相変わらず身分差が壁になっているものの、それが問題になる前にハイゼンベルグ家が滅びそうです。
次期皇主の正妃にスパイが入ってくるって末期的ってレベルじゃねーとか思っていたんで、これが皇太子の策略だったのは良かったんですが。でも、そんな策を取らなければならないほど王位詰められているってことですしね。

 

主人公含め出てくるキャラはことごとく病んでるんですが、そこらへんもすべからく放置ですし。皇太子もクラウスも怖すぎるよー・・・。

 

一体、どういうシリーズになっていくんでしょうか。あらすじから明るいバトルファンタジーを期待していたんですが、こんな末期的空気漂う物語で果たしてハッピーエンドとかいけるのか・・・・・・。
たぶんシリーズものの序章なのでしょう。とりあえずは次巻を読まないことには何とも言えない作品でした。

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