アオイハルノスベテ1


『アオイハルノスベテ』(庵田定夏著/ファミ通文庫)★★★☆☆

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2014年8月刊。
なかなか変化球な青春小説でした。特定の高校の生徒だけが幻の異能を使えるという設定をうまく使いながら、「空気」に支配されやすい集団性を描き出した作品。今回はすこし不思議系な話でしたが、今後どういう話に進むのかはまだよくわからないですね。続きが楽しみな新作です。

☆あらすじ☆
「もう一度、高校生活をやり直せるとしたら、どうする?」
輪月高校に入学した生徒だけが発症する不思議な能力――《シンドローム》。その力で横須賀浩人は、三年間の時間を強制的に巻き戻されてしまった。どうしてこんな状況になったのか、誰の力が原因なのかも分からず、残っていたのは微かな記憶だけ。そんな中で浩人が掲げた目標は――白紙になった三年間を、最高の高校生活としてやり直すこと!?交流のない幼馴染みやマニアックな男友達、さらに近寄りがたい美少女との接触からすべてが始まる、オールデイズ青春グラフィティ!

以下、ネタバレありの感想です。

 

「輪月症候群」
それは、輪月高校の生徒だけが知覚できる、現実にはなにも影響を与えない幻。生徒の一部がいつの満仁か扱えるようになるその幻には様々な種類があり、「火を出せる」「相手に金縛りをかけることができる」「分身を出せる」「透明人間になれる」などなど、ぱっと見はラノベなんかでよく見かける異能力だったりします。

 

特筆すべきは、これらの能力が本当に一部の人間にしか見えない幻でしかないということ。
たとえば透明人間については、 輪月高校の生徒であれば見えなくなるけど、輪月高校の先生にはちゃんと見えていたりします。火を出せる能力についても、現実には何も燃えたりしません。

 

しかも輪月高校を卒業したら使えなくなるし知覚もできなくなるという制限付き。
そのため、作中では頻繁に輪月症候群に関わっていても良いことなんてないとか言われちゃっている始末。

 

こういうSF要素を前提にしながらも、物語の本質は学園青春ドラマ。最初はちやほやとされながらも、次第に排斥されていくマイノリティである「輪月症候群」側の人間が、協力し合ってその復権を目指し、「排斥の空気」を逆転させる舞台を作り上げるまでが描かれていきます。

 

面白かったのは、復権の舞台に選んだのが「プロレス式異能バトル」だったということ。 漫画、アニメ、ラノベなどで「異能バトル」という言葉が馴染んでいる現代であれば、「安全に」異能バトルが観戦できるというのは大きなエンターテインメントとなりそうです。私も見たい。

 

さて、今回はそういういかにも青春学園ものという雰囲気のストーリーだったわけですが、次回以降はどうなるのか。
主人公横須賀浩人は実は2度目の高校生活を経験しているというループものであることは最初から明かされているものの、彼は高校卒業同時に死ぬ運命にあることも中盤で明かされます(いや、冒頭からバレバレだけどね)。

 

運命に絶望しながらも、それを変えるために死ぬ気で努力することを決意した浩人の明日はどっちだ!

 

そして、彼がループ直前に話していた女は誰なのか。輪月症候群とは本当は何なのか。

 

まだまだ謎の多い序盤ですが、続きが楽しみです。

 

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