灰と王国3 帰還


『灰と王国3 帰還』(風羽洸海著/エンターブレイン)★★★★☆

灰と王国3 帰還
灰と王国3 帰還

完結まで書籍化するようです。よかった。全4巻になるようです。
丁寧に作り込まれた堅実なファンタジー作品。サブタイトル通り第3巻は「帰還」の物語でした。
暗闇の中から始まった物語に、ゆっくりと希望が見え始めてきました。旅の始まりの頃と比べてフィンが竜侯として成長したことに頼もしく感じていたのに、最後の最後にヘタレてくれて全部台無しですよもう!!(褒め言葉)

☆あらすじ☆
――故郷を、取り戻す。 混迷の時代を生き抜くハイファンタジー、待望の第3部!
炎竜ゲンシャスを従え、帝国に反旗を翻したノルニコム女王エレシア。皇帝ヴァリスの命で、圧倒的な兵力で彼女を追い詰める将軍グラウス。そして、ナクテ領には若き帝位継承者セナトが舞い戻った。それぞれの想いが渦巻くなか、フィンら《北部天竜隊》はついにナナイスへと帰還する。
(そうだ、ここからまた始まるんだ)
再建を誓う時、天竜レーナがフィンにした”お願い”とは――。

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語の折り返し地点となる第3巻。
末期的な帝国の争乱と、1年をかけるフィンたちの帰還の旅路が描かれていきます。

 

復讐に燃える竜侯エレシアが率いるノルニコム軍と戦う帝国軍。
フィンが与えた天竜の加護がうまい具合に奇襲作戦みたいにはまっちゃいましたね。そして、竜すらも撃ち落とす人間の力に、他ならぬ人間自身が恐怖するシーンがとても印象的でした。踏み越えてはいけないラインを踏み越えてしまったのではないか、という不気味さがなんともいえない。
幕間を見る感じ、エレシアは生きていそうですが再登板はあるんでしょうか。そして、まさかと思うんですがグラウスとのロマンス展開がくるんでしょうか。まさかね。

 

2巻から登場した小セナト組もついに物語の中枢に合流。タズが良いアニキすぎる!これは小セナトが(無意識に)懐いても仕方ないw
しかし足かせになるまいとするタズと別れ、小セナトはひとりで歴史の真実を探ることを決意します。魔術師の存在とか、ここらへんに絡めてもう一波乱きてもおかしくないんですよねぇ。オルジンが求める「失われた過去の力」とは何を意味するのか。小セナト側でまた何か起こりそうですね。気になります。

 

そしてフィンたち北部天竜隊は故郷ナナイスへの帰還の旅路へ
フィンは、ナナイスにたどり着くまでの北部の各地で闇の獣の脅威を取り除くことを決意します。
1年の放浪の末、フィンは天竜隊という仲間を得て、竜侯としての力をコントロールすることもできるようになっていました(人のあしらい方が人外じみてきた)。そんな成長したフィンだからできる、ある意味で暴挙な方法。闇の獣の憎しみを受け止めることで連鎖を断ち切るわけですが、受け止める間は当然ボロボロ。ほんとに無茶します。

 

竜侯としての知名度があがったことで、やりにくくなったこともあるし、人の剥き出しの感情をぶつけられて滅入ることも少なかった帰還の旅路。それだけに、フィンの周囲の人々の温かさが染みます。特にマックとネリスやオアンドゥス夫妻に関しては聖人の域に達しています。ひとりも欠けずにナナイスに戻ってこれてほんとに良かった。

 

そうして苦労して帰り着いたナナイスは、誰ひとり生き残りのいない廃墟と化していました。

 

壊滅したナナイスに絶望するのも束の間、1年の旅で鍛えられたフィンたちはさっそく復興作業に励みます。というか3巻にして旅の目的を達しちゃったんですが、4巻では何が起こるんでしょう。魔術師絡みで一波乱くるか?帝国側の混乱も完全におさまったわけじゃないですし、老セナトはまだなにか暗躍しそうですしね。
そして、レーナの告白を受け取ったフィンは、彼女の想いにどう応えるのか。結婚しようって言うレーナは可愛かったのに、フィンがヘタレすぎて・・・・・・こっちが脱力したよ!!!(ノ`Д´)ノ

 

来月の4巻発売が楽しみです。

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風羽洸海,皆川史生KADOKAWA/エンターブレイン
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