犯罪共鳴 壊兎1 タナトス症候群 


『犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群』(北山大詩著/富士見L文庫)★★★★☆

犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群 (富士見L文庫)
犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群 (富士見L文庫)

こういうミステリーを待っていた!
ライトミステリー隆盛の昨今の風潮に逆らう、血なまぐさくてゾッとするような狂気が踊る本格ミステリーでした。
じゃあ一般文芸を読めばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、キャラクター小説としても成り立っているのがポイントなんです。
主人公海斗の、理性と狂気の間をフラフラするような危険な魅力にドキドキすること間違いなしですよ!(`・д・´)< 私は怖かったけどね!
ただし、割とグロ系ともいえるので苦手な方は要注意です。そこそこグロ耐性がある方にはおすすめします。

☆あらすじ☆
都内を騒がせている「女子中高生連続誘拐殺人事件」と「連続放火事件」。その猟奇性から、三年前に起こった連続殺人事件の犯人、未だ逃亡中の殺人鬼タナトスの再来か、と報道されていた。誰もが戦き、警察も手をこまねく中、彼は平然と言い放つ。「あの犯行にはユーモアがない」危うい魅力を携えた高校生、海斗。「タナトスの弟」という秘密を抱える彼は、“犯罪者の心理に共鳴する”特異な感受性を持っていた。彼が巻き込まれたのは、偶然か、必然か。そして、再び事件の歯車は動き出す―。

以下、ネタバレありの感想です。

 

世間を騒がす二つの猟奇的連続犯罪。
ひとつは通称ハニーポッターが引き起こす女子中高生連続誘拐殺人事件、もうひとつは通称チャッカマンが引き起こす連続放火事件
この作品は、臨時の養護教諭各務原更紗が、自分の働く高校の生徒支倉海斗を拾ったことから、この2つの怪事件に巻き込まれていく、というもの。

 

海斗には、犯罪者の心理状態に共鳴し、 犯罪時の彼らの思考をたどることができるという異能じみた特技があり、これによって更紗と海斗は否応なく巻き込まれてしまった二つの怪事件の犯人の魔手から逃れ、彼らによって危地に立たされた同級生たちを助けようと奮闘します。

 

しかし、この海斗の特技がとても危うい。
海斗の共感能力は彼の以上に高い感応性に由来するものですが、犯罪者の思考をたどるときの状態はまさに「憑依」のように犯罪者になりきってしまいます。おかげで本作のヒロインの受難の大半はヒーローのせいだったりします(出会いすらアレだから、ある意味全てヒーローのせいか?)
海斗自身、正常者とは言い切れない危うい性格をしているせいで、ほんとヒヤヒヤしました。これを危うい魅力ということもできるでしょうが、できるなら更紗は早い段階で彼から逃げるべきでしたね。年下もイイかも?とか思ってる場合じゃない!逃げてー!

 

女子中高生連続誘拐殺人事件も連続放火事件も「タナトス」と呼ばれる稀代の異常犯罪者御崎陸斗に心酔した「兎の信奉者(フォロワーズ)」によって起こされたものでした。
ミステリーとして作中におかれたいくつもの仕掛けもとても面白かったです。話の展開も丁寧だし、伏線の置き方も絶妙でした。異常な犯罪者たちの猟奇的な行動の数々はゾクっとするものばかりでしたし、ラスボスの風格で登場した陸斗もとても恐ろしかったです。こんな兄貴をもった海斗、そりゃ歪むわ・・・・・・(‘д` ;)

 

おそらくシリーズ化すると思うのですが(というかシリーズ化してほしい)、「兎の信奉者」たちが巻き起こす猟奇事件の謎を解き明かしながら暗躍するタナトスを追う、という方向にいくのだと思います。ほっこりライトミステリーもいいのですが、たまにはこういう猟奇的で狂気をはらんだ血なまぐさいシリーズも欲しかったので、次巻もとても楽しみです!

 

あとがきを読む感じ、更紗と海斗のラブロマンスもありそうな感じですが、私は危険な年下よりも刑事の幼馴染みを推しますけどねー・・・。海斗は怖いから兼嗣のほうが良いな。 海斗の場合、恋に落ちるよりも闇堕ちするほうが早そうな気がしないでもない(´・ω・`)

 

犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群 (富士見L文庫)犯罪共鳴 壊兎 タナトス症候群 (富士見L文庫)
北山 大詩,清原 紘KADOKAWA / 富士見書房 2014-08-20
売り上げランキング : 4033Amazonで詳しく見る
スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。