マージナル・オペレーション4


『マージナル・オペレーション04』(芝村裕吏著/星海社FICTIONS)★★★★☆

マージナル・オペレーション 04 (星海社FICTIONS)
マージナル・オペレーション 04 (星海社FICTIONS)

さらに所帯が大きくなったアラタの民間軍事会社。
今回はミャンマー軍と人民解放軍との争いに首を突っ込むことになるのですが、その一方でアラタとジブリールの関係にも動きがあったり。色々と意味深な人物が増えたりもして、次巻(最終巻)の準備回という印象を受ける話でした。

☆あらすじ☆
敵は、人民解放軍──。西側諸国からの要請を受け、キャンプ・ハキムを根拠地に2000人の少年少女兵を率いる“子供使い”こと新田良太は、ミャンマー北部の国境地帯に位置する村々を怒濤の勢いで攻略していく。
それに対し、ついに中国は正規軍である人民解放軍を投入する。無人偵察機や攻撃ヘリなどの近代兵器を惜しげもなく繰り出す敵に対し、アラタは的確なオペレーションで大打撃を与えていくのだが……。
守護天使・ジブリールとの関係にも新たな季節が訪れる、熱誠の第4弾──!

以下、ネタバレありの感想です。

 

26人からスタートした(いや開始は1人か)アラタですが、ついに2000人という規模の組織の司令になってしまいました。キャンプ・ハキムの平穏な風景を描いた挿絵と、戦いに赴く子供たちのギャップが切ないです。ハキムを亡くしたことや、ソフィが傷ついたことはアラタに根深くトラウマとして残っているようですし。
アラタ視点だからか、アラタのことが一番よくわからないのがこの作品の特徴な気がします。普通は一人称視点の小説って主人公が一番わかりやすいのに、この作品のアラタは自分自身に嘘をついているというか言い聞かせているような描写が目立って客観的な状態がほとんどわからないんですよね。子供たちを戦争に送り出す事への恐怖がにじみ出ているような気がするし、彼の精神状態が不安です。

 

そんなアラタですが、今回はミャンマーと人民解放軍の小競り合いにミャンマー側として参加。途中でミャンマーとも不穏になるのがアラタらしいというか何というか。ついに呼称まで「厳父」とか「お父さん」になってしまいましたし、2000人の我が子たちのためにも何が教育に良いのか何が彼らの将来のためになるのかを必死に考え続けているところが印象的でした。

 

苦労するお父さん化したアラタですが、思春期ジブリールとの関係にも明確な変化が。
ジブリールの夜這いにはびっくりしました。女の影が絶えない(語弊があるかな?w)アラタを見て思い詰めてしまったんだろうか。
ジブリールが父ではなく異性としてアラタを好きであることはようやく理解した様子ですが、受け入れるのは難しいでしょうね。なんていったって絶賛子育て中ですし。ジブリールをそういう目で見るのは教育上よろしくないですもんね。あと1冊でこの関係にどういうケリをつけるのか気になります。

 

この巻で懐かしのお姉さん・シャウイー改めホリーが再登場。
冒頭の人物紹介、毎巻誰かから誰かへの報告書の体裁なのですが、今回はホリー作成文書なんですよね。レインボー計画って何?トニーのところに情報提供者って書いてあるんですけどこれは・・・・・・。
今回はジブリール刺激役みたいな位置に立ったホリーですが、もしかして次巻で何か動いたりして。

 

また、日本からは女性軍人斉藤敦子が研修(?)のためアラタのキャンプに入ってきました。
彼女の正義感はめんどくさそうですが、この巻ではまだそこまでの動きはなかったです。場をひっかきまわすかと思いきや意外におとなしかったのが逆に気になります。

 

ラストは中国軍の本格侵攻という急展開で終わってしまいました。次で最後か。アラタの物語がどういうクライマックスを迎えるのか、とてもドキドキしています。

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