マージナル・オペレーション3


『マージナル・オペレーション03』(芝村裕吏著/星海社FICTIONS)★★★★★

マージナル・オペレーション 03 (星海社FICTIONS)
マージナル・オペレーション 03 (星海社FICTIONS)

重かったぁー・・・。
アラタ試練の回ともいうべき第3巻。前巻の予告からして不穏な空気を出していたので覚悟してはいたものの、この容赦なさは・・・・・・
暗い話でしたが、ジブリールは可愛かったです。救いだ。癒やしだ。
アラタは自分の進む道に苦い思いを抱えながら、それでも揺らがずに真っ直ぐに進もうとする姿は本当に格好いいです。

☆あらすじ☆
新宿を恐慌に陥れた戦いの後、アラタたち一行は日本を出国し、タイへと降り立った。その地でアラタを待っていたのは、“子供使い”の悪しき影響で横行する少年兵を使ったビジネスと、“あの男”との思わぬ形での再会だった。再び、ファンタジーで現実を壊すべく、戦いに身を投じるアラタだったが、僅かな油断が、子供たち―そして、彼を愛した女の命を窮地に陥れてしまう…。
熱帯の戦場に血飛沫が舞う、緊迫の第3巻。

以下、ネタバレありの感想です。

 

舞台を日本からタイへ移し、少しだけ所帯が大きくなったアラタたち。
今回は「イトウさん家」の紹介で李世蘭の依頼を受けることになるのですが、その内容は「スラムの子供が傭兵として輸出されようとしているから救出してほしい」という建前のもの。しかしその実質は、その子供たちが生きるために「子供使い」であるアラタの傭兵にしてほしいというものでした。

 

ジブリールたちの未来のために子供を戦わせることを苦々しく思っていたアラタに対する何という皮肉。

 

アラタは落ち込むかな?と思ったのですが、意外にその提案自体には乗り気でびっくりしましたw
子供は多い方がいいって・・・・・・お父さんと言うよりは保父さんに近くなってきたような(゚∇゚ ;)
でもお父さん、ジブリールを義理の娘扱いするから地雷原踏みしだいてるってそろそろ気づこう。

 

大量の子供を受け入れての壮大な事業拡大を胸に描きながら、今回のオペレーションは割と簡単に進むはずでした。
思いかけずかつての古巣だった民間軍事会社から命を狙われるというトラブルに遭いながらも、何とかこれを回避。NGOで銃で狙われながらも淡々としているところなんか、回を増すごとに凄みを増しているアラタの指揮官としての才覚を象徴しているかのようでした。
しかし終盤になって事態は一変。

 

キシモトの嫉妬に狂った行為により隠れ家が襲撃を受け、幼いハキムは殺害され、ソフィは攫われてしまいます。ハキム死亡だけでもショックだったのに、死んだ後も罠に使われてバラバラになるとか・・・・・・黒い袋を撫でるアラタの姿がただただ悲しかったです。
キシモトからソフィを取り戻しても、彼女は壊れてしまいましたし・・・ソフィ、良い子だったのに・・・
勝利とは言いがたい結末はとても苦いものでした。損害を出したこと自体が敗北だったのかもしれません。

 

ハキムの仇を討ったアラタ。
スラムの子供を受け入れるための準備も着々と進み、いよいよ事業拡大の段階に入りました。
「子供使い」として子供を戦場に送り出すことが何を意味するのかを実感を持って理解しながらも、揺るがずに自分の信念のために前に突き進む姿が印象的でした。最後の演説は泣いた。

 

次巻はいよいよ戦争でしょうか。VS中国かな。怖いなぁ。

マージナル・オペレーション 03 (星海社FICTIONS)マージナル・オペレーション 03 (星海社FICTIONS)
芝村 裕吏,しずま よしのり講談社
売り上げランキング : 8905Amazonで詳しく見る
スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。