精霊歌士と夢見る野菜3 金色の約束


『精霊歌士と夢見る野菜 金色の約束』(永瀬さらさ著/角川ビーンズ文庫)★★★★☆

精霊歌士と夢見る野菜 金色の約束 (角川ビーンズ文庫)
精霊歌士と夢見る野菜 金色の約束 (角川ビーンズ文庫)

完結巻です。
3巻で話をまとめられるのかと不安だったものの、予想より綺麗に着地させてくれました。3巻そのものもとても面白かったです。
なんでこんなに主人公を叩きのめすんだ、とか、このまま夜の蝶になってしまうのかとドキドキしましたが(笑)、主人公の夢も恋も良い形でまとまったハッピーエンドでした。
正直、3巻で終わらせてしまうのがもったいないシリーズでした。もうちょっとゆっくりじっくり進んでくれても良かったんだけどな。
次回作にも期待したいです。

☆あらすじ☆
自分の心を奪った天才、エイディの隣に並び立つ。『精霊歌士』として―。
野菜しか作れない落第生のメロウは、“砂漠の王子様”と呼ばれる問題児のシャーディー、臆病すぎるリーリという個性的な補講仲間と力を合わせ、数々の課題を乗り越えてきた。だが、最大の難関が。なんと、精霊歌士になるための最終試験を審査するのは、幼いメロウを捨てた母親、王国の女王その人で…!?
王道ラブ・ファンタジー、感動のフィナーレ!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

精霊歌士になるための予備試験を受けることになったメロウ。
課題は男女のペアで精霊樹を育てることで、審査を担当するのは母である女王でした。

 

ついに女王と対面を果たしたメロウですが、女王は想像以上にくせ者。初っぱなから娘に「もう頑張らなくてもいいのよ」と言い放ったところですごく不快だったのですが、蓋を開けてみると思惑はもっと非道で怖すぎる女性でした。
ラスト、「嘘でもいい母でいたかった」とかフォローされていましたが、それにしても「母親」とはもはや言えない存在ですね。だからこそ彼女は女王なのでしょうが。メロウが母への想いという呪縛から解き放たれて本当に良かったです。

 

女王や周囲からの様々な圧力・妨害、果ては詐欺に放火に強盗に監禁と、なんだか一生分の不幸が一気に降り注がれたかのような打ちのめされ方だった今回のメロウ。ですが、エイディに振り回されつつも彼に必死に追いすがり、ついには二人で歌うというところまで達成してくれました。よく頑張った!負けん気が強いというだけじゃなくて、ちゃんと落ち込んだり迷ったりくじけたりするけど、それでも立ち上がるというのがとても素敵なヒロインでした。
途中で(騙される形ではあったけど)水商売に進みかけたときはマジで超展開すぎるだろ!と衝撃を受けたものですが、総菜店の経営も含め、全てうまい具合にまとまって良かったです。ていうかホッとしました。思い返せばかなりの不幸系ヒロインだったので・・・・・・

 

エイディについては、メロウを振り回すのは相変わらずとして、彼が1巻から言っていた精霊歌への疑問をちゃんと取り上げてくれたのは意外でした。3巻でまとめるには世界観的に難しそうだと思ったのですが、論文という形でその疑問を維持させて、これから研究するぞ!というラストは妥当なとこでしょう。エイディの疑問と「なれの果て」関連についてはあまり期待していなかっただけに、ちゃんと伏線回収してくれて嬉しかったです。

 

あと、ラヴィはツッコミ不在のメンバーの中でほんとによく頑張っていました。歌う主人公よりも声を張っていた気がします。彼がメロウのために種になる流れは本当に感動しました。メロウへの愛はエイディよりも深いはず!それだけに、ふたりが両想いになったこれからがラヴィの真の受難のはじまりになりそうですw

 

3巻で本筋を綺麗にまとめたシリーズでしたが、脇役関連のエピソード回収はかなり急ぎ足でしたね。
シャーディーのメロウに対する片思いに関しては思ったよりちゃんと扱っていましたが(当て馬だしね!)、 エイディのお兄ちゃんズの話やエルダとカーティスの話についてはもう少し巻数が必要だったんじゃないかなぁと思いましたし(むしろエルダについては存在自体の必要性が疑問)。正直、5巻くらいまではやって欲しかったなぁ。

 

惜しいと感じるところはあるものの、十分に満足できるシリーズでした。
永瀬さんの次回作にも期待しています!お疲れ様でした。

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