マージナル・オペレーション1


『マージナル・オペレーション01』(芝村裕吏著/星海社FICTIONS)★★★★☆

マージナル・オペレーション 01 (星海社FICTIONS)
マージナル・オペレーション 01 (星海社FICTIONS)

無職の30代日本人男性が外資の民間軍事会社に就職したらオペレーターとしての才能が開花した、という話。主人公の一人称視点で、ドライで事務的な報告をされているかのように話が進んでいきます。悲惨な現実と熱のない主人公の視点のギャップが不気味でした。そして、そこになぜか惹き込まれてしまい、一体これからどうなるのかとページを繰る手が止まらず一気に読みました。面白かったです。

☆あらすじ☆
三〇歳のニート、アラタが選んだ新しい仕事、それは民間軍事会社―つまり、傭兵だった。住み慣れたTOKYOを遠く離れた中央アジアの地で、秘められていた軍事的才能を開花させていくアラタ。しかし、点数稼ぎを優先させた判断で、ひとつの村を滅ぼしてしまう。モニターの向こう側で生身の人間が血を流す本物の戦場で、傷を乗り越えたアラタが下した決断とは―?
『ガンパレード・マーチ』の芝村裕吏が贈る、新たな戦いの歴史が、今はじまる。

以下、ネタバレ有りの感想です。

 

求職中だったアラタ(新田)は、外資系民間軍事会社に就職し、そこでオペレーターとしての訓練を受け、その才能を開花させていきます。
物語はこのアラタの一人称視点で進んでいくのですが、とても淡々と機械的に彼がどういう風にこれまで生きてきて、どういう風にココに至ったのかということが回想されていきます。

 

前半は民間軍事会社の訓練キャンプで機械的にボタンを押し続けたアラタ。自分のことなのにどこか俯瞰的というか無関心というか、そんな彼を不気味に感じていました。しかし、中盤に入り、民間軍事会社の実態と訓練と称して自分がしてきたことに気付いてから、物語はどんどん面白くなっていきました。
訓練所を出て、中央アジアのどこかの基地に赴任したアラタ。
そこで彼は、オマルというアメリカ人と友人になり、そして、ジブリールという傭兵の少女と出会います。
オマルやジブリールと一緒にいるときだけが、なんとなくアラタが人間らしくなっていったような。ジブリールたち村から放り出されてしまった子供をアラタが引き取るとは正直思いませんでした。何事にもドライで無関心なようでいて、でも日本人らしい道徳観念が染みついているアンバランスさがアラタというキャラクターなのかな、とぼんやり感じました。

 

軍事会社内で浮いたり、評価されたり、村から歓迎されたり裏切られたり。なかなか展開としてはジェットコースターのような浮沈の激しいものでした(でもアラタ視点だとかなり淡泊にみえる不思議)。次は一体何が起こるのだろうとドキドキしながらページを繰っていっていたように思います。

 

1巻を読んでいて、このシリーズがどういう方向に行くのかつかめなかったのですが、まさか日本で民間軍事会社を起業する流れになるとは。面白くてワクワクする展開ですね。アラタは、罪悪感とかに苛まれながらも機械的にオペレーションをしている姿が魅力的に感じたので、そんな彼が現代日本でどんな戦いに挑んでいくのかとても楽しみです。

 

それにしてもどうやって子供達を日本に連れてこれたんだ・・・?できるものなの?

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