八番街の探偵貴族 はじまりは、舞踏会。


『八番街の探偵貴族 はじまりは、舞踏会。』(青木祐子著/コバルト文庫)★★★☆☆

八番街の探偵貴族 はじまりは、舞踏会。 (コバルト文庫 あ 16-47)
八番街の探偵貴族 はじまりは、舞踏会。 (コバルト文庫 あ 16-47)

ヴィクトリアンミステリー、ということでウキウキと読みました。
中編1本と短編1本という構成で、中編のほうは謎が解き明かされていく過程が少し変則的に感じましたが、面白かったです。
負けん気の強い主人公と彼女の新しい雇い主となった青年貴族のコンビなのですが、この2人の絡みは思ったより少なかったように感じました。
そこは残念だったのですが、お話自体は濃厚な「愛」の形が描かれています。ねっとり。
ちなみに、同著者の「ベリーカルテットの事件簿」の姉妹作品的位置づけのようです。そちらは未読だったものの、問題なく楽しめました。

☆あらすじ☆
【助手求む。内勤・外勤・特殊業務あり。髪は茶色、目は黒が望ましい。クレセント私設事務所 所長 L・C】。
19世紀、ロンドン。とある事情で求職中だった少女マイアは、新聞に載っていた求人広告に応募した。奇妙な理由で採用されたマイアだったが、そこはレヴィン・クレセントと名乗る、黒髪碧眼の美青年貴族が経営する謎めいた探偵事務所で・・・・・・?ヴィクトリアン・ミステリー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

第一話 はじまりは、舞踏会。

勤め先のアホ息子に振り回される形で職を失った元メイドのマイア
奇妙な条件に首をかしげつつも、好待遇にとびついた彼女が出会ったのが青年貴族のレヴィンでした。

骨格がどうのとか言っちゃう胡散臭いレヴィンの助手として仕事をすることになるのですが、その内容は、とある貴族の女性の身代わりとして彼女の初恋の相手に会うために舞踏会に乗り込むこと

もう、ほんと胡散臭い(笑)
お給金が良いとはいえ、よくマイアはおとなしく従いましたよね。

この仕事が本当はどういうものなのか、依頼人の目的は何なのか、そもそもレヴィンとはどういう人物なのか、といった謎解き部分のほとんどは、依頼人であるアンジェリカのモノローグで綴られていきます。ここらへんがミステリーとしては少し変わっているように感じました。探偵役であるレヴィンの推理披露シーンがほぼなかったんですよね。一応マイアの口からジャンに対して語らせてはいるものの、それも事前のアンジェリカのモノローグで大半が既出だったので・・・・・・。
話としては面白かったですし、こういう形のミステリーもありだとは思うのですが、ちょっと思っていたのとは違っていました。 私はやっぱり、謎を積み重ねていって最後に探偵がばーんと推理を披露するタイプのミステリーが好きみたいです。

ただ、アンジェリカの、
ずっと、ずっと、あなたのことが好きだった。
愛されて、裏切って、殺してやりたいくらい。

という暗くて重たくてドロリとした愛憎はすごく良かったです(笑)ねっとり。

 

第二話 わたしの愛する泥棒

こちらのほうがミステリーとしては私好みのお話でした。
マイアの昔の勤め先で起こった盗難事件の真相を探る、というストーリー。犯人は本当にロドニーなのか、それとも依頼人のキャシーなのか?と思わせて、実は・・・・・・、という流れがいかにもミステリーな感じで面白かったです。

 

ぜひシリーズ化してほしい作品でした。この巻だけだとマイアはともかくレヴィンの謎が多すぎる上、彼がどういうキャラクターなのかすらよく分かりませんでしたし。
それに、マイアは単独行動が多かったので2人の絡みが思ったより少なかったのは寂しかったです。続編で2人のコンビ的な活躍も見せてほしいものです。
恋愛面もつついてほしいですね・・・・・・「眠気覚ましのサンドバッグ」は面白かったですがw

設定がとても良いなので、続くならきっと面白くなるんじゃないかと期待しています。
「ベリーカルテットの事件簿」のほうも早く読まなきゃ。

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