薔薇のマリア21 I love you.[rouge]


『薔薇のマリア21. I love you.[rouge]』(十文字青著/角川スニーカー文庫)★★★★★
薔薇のマリア 21.I love you.[rouge] (角川スニーカー文庫)
薔薇のマリア 21.I love you.[rouge] (角川スニーカー文庫)

ああ、終わってしまいました。
最高でした。本当にありがとうございました。

☆あらすじ☆
ついに“世界の終わり”に到達したマリアたち。だが、地獄帝王の御所“終わりの果て”はいまだ遠かった。繰り広げられる悪夢のような戦い。死力を尽くして突き進む仲間たち。現実が引き裂かれ、叫び声は途切れ、溢れ返り涸れる涙、その行く先に待っているものとはいったい―!?すべての謎が明かされ、世界の真実がもたらされるとき、マリアたちは究極の選択を迫られる!
ロングヒットファンタジーシリーズ、ここに堂々完結…!!

以下、ネタバレありの感想です。長さがやばい。
あのラストについての自分の解釈を記事の最後のほうに書いています。解釈というか願望ですけども!

 

ついに最終巻。

 

最終巻にふさわしい激闘。予想以上の犠牲。そして鮮やかに回収され解き明かされる多くの謎。

 

読んでいる間、ほんとうに、背中や肩が強ばるくらい緊張していました。次のページは誰が死んでしまうのか、ZOOは大丈夫なのか?[昼飯時]は?番人は?モリーは?リーチェは?と、恐怖に駆られながらページをめくっていました。

 

頭が真っ白になる場面はいくつもあったのですが、最初はピンパーネルの場面。ルーシーが死んじゃったからZOOからはこれ以上犠牲は出ないって心のどこかで思っていた気がします。だって、なんで、ピンプなの・・・
ハニーメリーがピンプの子どもを宿したことだけが救いですが、ピンプ本人に生き残ってほしかったです。

 

そして、マリアローズの覚悟の場面

 

なぜ、地獄帝王を倒さなければならなかったのか。
グッダーやジュジたちの目的は何だったのか。
ジュジやルヴィー・ブルームの口から世界の真相とマリアの秘密が語られていきました。

 

壊れてしまった「ジュジたちの世界」。そこから逃れるために作られた「半永久的避難所」。
それを完璧な世界とするためにプログラミングされた「管理者」たち。
しかし「管理者」たちの暴走によりその設計図は実行されず、ジュジたち「登録者」は想定外の過酷な環境に放り出された結果、わずか7人だけが生き残ることになったこと。
ジュジたち登録者以外の人間は全て「紛いもの」として用意されていた人間型モジュールであること。
そして、マリアローズの正体が、「半永久的避難所」であるこの世界を作り直すことが可能な「超越執行者の間」を開くための「鍵」であること。
「鍵」が増殖しないように生殖機能を持たず、性別すらないマリア。弱いことも美しいことも全て「鍵」であったがため。

 

全てを知ったマリアが選んだ行動に涙が止まりませんでした。
「みんな、大好きだよ」のセリフに総毛立って、アジアンへの想いのモノローグに震えがきました。

 

マリア・・・・・・・・・っっ!!!!

 

読んでいて息が止まるという経験は初めてでした。

 

その後、唐突にエピローグに移行し、多くのキャラクターのその後が描かれていきます。
コロナたちの平和な様子に和みました。生きていてくれて本当に良かった・・・!
あと、アロンズ・ニードルスピア再登場に一人でおののいていました。

 

マリアが身を投げた後の、トマトクンたちとグッダーたちとの戦いの行方は明確には書かれていません。
分かるのは、トマトクンたちはみんな生き残り、悪魔たちとの共存をはかりながら新たな世界を作るために一歩ずつ前に進んでいるということだけです。それで十分です。

 

十文字青さんは文字はぎっちり詰めるのに、物語の「余白」の取り方が上手すぎて本当に尊敬します。
これだけ長い物語の中で要所要所に置いてきた伏線を回収すべきものは全て回収し、一方では「穴」をつくることで読み手の想像力に委ね、物語に余裕をもたせるという素晴らしい技量に魅せられました。そのおかげで読後の余韻が抜けきれずに今も胸が苦しいです・・・。
「薔薇のマリア」は最終巻をして最高の名作となったことは間違いないと思います。

 

さて。

 

この物語のラストを、他の読者の方々はどう解釈したのでしょうか。

 

「すべてに」という小題がつけられたアジアンのエピローグ。
不確かな断片でしかない情報をかき集めて、アジアンがたどり着いた〈上古の門〉。
そこで見つけた「薔薇のマリア」。
アジアンは誰を、あるいは何を見つけたんでしょうね。
鍵は転生するわけですが、人間ではないかもしれないんですよね。だからこそあの名台詞をアジアンは証明しようとしたわけですし。でも、人間であって欲しいな。女でも男でもいいから、人としてアジアンと幸せになってほしいです。

 

そもそも「薔薇のマリア」の世界は〈半永久的避難所〉ですし、18巻冒頭のエピソードをあわせて考えれば仮想空間とか電脳空間とかそういう世界なわけですから、もはやマリアがマリアとして転生するくらいのミラクルが起こってくれてもいいと思うんですよね!!(ちょっと何言ってるか自分でも分からない)

 

というか〈上古の門〉が開いてマリアが飛ばされて生き残ったと考える余地も・・・ある・・・!?

 

だって電脳世界なわけですし!(?)
マトリックス的な世界なら、念じれば望んだものが出てきそうじゃないですか!マリアは最後にみんなの顔をもう一度見たいって望んだんですから、なんかその願いに世界が呼応してうんたらかんたらで〈上古の門〉が開いたとか!!!!(`・д・´)
それをアジアンが極限愛的なアレでコレしてマリア発見に至ったとか!!(σ・∀・)σ

 

・・・・・・熱くなってしまいました。記事を書きながら考えが180度変わってしまってますね。書く前はマリア死亡→転生エンドだと思ってたんですが。

 

いやでも、やっぱりマリアが犠牲になったラストっていうのは美しいけど悲しすぎるんですよ。いくら転生するとはいえ、それは本当に「マリアローズ」なのかなとか思っちゃうし。
それだったら、たとえ賛同を得られなくても、私は〈上古の門〉が落下途中のマリアを飲み込んでどこかに飛ばして、アジアンがそれを突き止めて迎えに行ったというエンドを妄想します。
そうなるとアジアンが証明したい「自分の言葉」っていうのは
「犬だろうと猫だろうと異界生物だろうと大脂羽蟲だろうと、ボクはきっとキミを好きになっただろう」のほうではなく、
「キミを愛するために、キミだけを探し出しただろう」のほうだと思うんです!
なんかしっくりこなくてもそうなんです!そう思いたいんです!

 

はぁ。

 

ラストについては、読む人によって様々な解釈があるんでしょうね。他の薔薇まりゃさんたちの意見を聞いてみたいものです。

 

この喪失感の激しい読後の余韻がいつひいてくれるかわかりませんが、本当に最高の最終巻でした。
十文字青さん、BUNBUNさん、お疲れ様でした。最高の物語をありがとうございました。

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