薔薇のマリア20 I love you.[noir]


『薔薇のマリア20.I love you.[noir]』(十文字青著/角川スニーカー文庫)★★★★★
薔薇のマリア20 .I love you.[noir] (角川スニーカー文庫)
薔薇のマリア20 .I love you.[noir] (角川スニーカー文庫)

薔薇のマリア、最終章です。
新参者ですが、これ以上ないってくらいハマった作品でした。
クライマックスらしく、物語の盛り上がり方も半端ないです。世界の真実が少しずつ明らかになっていき、悪魔達との戦いは熾烈を極め、誰も彼も死亡フラグを打ち立てまくる。
そしてその中でも変わらない馬鹿一号・・・・・・っ!!

終わっちゃうのかー終わっちゃうのかぁ。まだ知ったばかりだったのに。うー。

☆あらすじ☆
“原子の極大魔術士”キング・グッダーに導かれ、九頭竜型超弩級飛行戦艦マキシマムAMドラゴンに乗りこんだマリアたち。危険から脱したと安心する間もなく、グッダーは大量のエルデン市民を乗せたまま地獄へ逆侵攻する。目指すは“世界の終わり”。そしてそこにいる地獄の支配者である帝王を倒すこと。成功すれば悪魔の統率が乱れて侵攻が止まると信じるマリアたちは、最後の力を振り絞り、またしても過酷な道をゆくのだが―。

以下、ネタバレ感想です。

 

最終章上巻。

 

様々な視点から色々な人物達の事情や心情が明らかにされていきます。さながら群像劇。主役のはずのマリアの影も薄くなりそうなくらいです(しかし馬鹿一号の献身で輝いていたので無問題!)

 

相変わらずの改行の少なさで、情報をこれでもかと詰め込んだ1冊でした。どうしよう。どう感想を書けばいいのかわからないくらいの密度でしてよ・・・

 

これはもう、困ったときの箇条書き方式で!w

 

1)りりぃとジュジ
冒頭、恐らくりりぃだと思われる「彼女」の視点から、「薔薇のマリア」の世界の真相に迫るかのようなモノローグが綴られていきます。
崩壊していく文明社会、未来のない実世界から目を背けるように「涅槃」へ「解脱」をする「彼女」たち。
「涅槃」という電脳空間が、物語に実際にどのような形で現れるのかはまだはっきりしていません(た、多分・・・)。攻殻機動隊のイメージでいいんだろうか?「別種」「逃亡者」が具体的に何を指すのかもわかりません。別種というのはアバターということなのかな?あとの話を読む感じ、グッダーは「逃亡者」を狩る側の人間だったようですけど、そこらへんもよくわかりません。
彼らが最後に行き着いたとされる「半永久的避難所(Permanent Haven)」っていうのは18巻冒頭に出てきたあの場所ですよね??一体そこで何が起こったのか・・・生き残った7人というのはトマトクンたちなのでしょうが、彼らは「半永久的避難所」にどのような希望を求めていたのでしょうか。2052年10月9日に「すべてが一度終わった」と18巻冒頭で出てきた渦城が言っているんですが、その日は半永久的避難所第1回試験稼働の日だということが明らかになりましたし。うーん。謎すぎる。
マグデニア・プールでヴィシュクラトーが見たという人口の星と関係があるのかな?

 

2)キング・グッダー
ち、小さくなっちゃった!
彼とジュジの目的はあくまで地獄の帝王を滅ぼすことにあって、魂限界突破も地獄の蓋を開いたのも全ては帝王の守りを手薄にさせるためでした。ジュジの口から語られるその動機は単純に「悪」と断じることができないようにも思えますが・・・トマトクンは不審感を顕わにしていたし実際どうなんでしょうね。そもそも、こいつらの正体がまだいまいち不明ですし。

 

3)マリアローズとアジアン
相変わらずのアジアンでほんとにほっとしました。
状況は悲惨だし、死者は増える一方だけど、アジアンがいつものアジアンであることがどれだけ読者に安心感を与えることか!マリアも素直になればいいのにね!
マリアのお願いに「極限愛」って返すアジアンも素敵()だけど、「どういう返事だよ。意味はわかるけど」って思っちゃうマリアが可愛い。ほんと可愛い。
それにしても、マリアの正体は上巻ではまだ明らかになっていません。ほんとに最後の最後まで引っ張る気なんでしょうね。ヴィシュクラトーもマリアを「人の子」とは違うモノとみているようだし、マリアの瞳は何かの鍵なんだろうとも予想されますが、一体何を開く鍵なのか。マリアのお願いを聞いたヴィシュクラトーが求める代償が関係しているんでしょうが・・・気になる!

 

4)ファニー・フランク
アンタほんと最高だよ!
うざいんだけど、真剣にうざいんだけど、憎めないキャラですね。前線に立ってただ旗を振り続ける王様。戦う力もなければ自分を守る力もない彼が、それでもみんなを励ますために陽気にエールを送り続ける姿は作中の空気まで明るく変えていくような気がします。
ヨハンへの全権委譲シーンは笑いました。最高や!

 

5)「昼飯時」と「秩序の番人」
ナ・インに乗り込んできた悪魔達との間で繰り広げられる乱闘シーン。
多くのキャラの視点を飛び移りながら、描き出される壮絶な戦いは本当に鳥肌がたちました。「薔薇のマリア」という長い物語の中で、ひとりひとりのキャラを個性豊かに、その背景まで濃厚に描いてきたからこその群像劇。これぞ十文字青の真骨頂という鬼気迫るかのようなエネルギーを感じました。本当に凄かった。
それにしても、どうして焦点の当たるキャラがみんなして死亡フラグを景気よく立てていっちゃうんですか。当たってないキャラもあっけなく死んじゃうし・・・。ナツコやレイジ兄妹まで死んじゃうなんて。
アジアンに「根性見せろ!」ってたきつけていた彼らの何人が最後まで生き残れるのか・・・。

 

最後、ようやく到達した「世界の終わり」で、マリア達は罠にかかってしまいました。
マリア達はどこへ落ちていくのか。その先に何があるのか。

 

上巻で虫食い的に出された多くの情報が、下巻でどのような形で完全な姿を見せてくれるのか。気になります。気になりますが、それも1か月の辛抱です。5月に出る最終巻を大きな期待をもって待とうと思います。

 

薔薇のマリア20 .I love you.[noir] (角川スニーカー文庫)薔薇のマリア20 .I love you.[noir] (角川スニーカー文庫)
十文字 青,BUNBUNKADOKAWA/角川書店
売り上げランキング : 299Amazonで詳しく見る
スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。