英国マザーグース物語3 哀しみのロイヤル・ウエディング


『英国マザーグース物語 哀しみのロイヤル・ウエディング』(久賀理世著/コバルト文庫)★★★★☆

英国マザーグース物語―哀しみのロイヤル・ウエディング (コバルト文庫)
英国マザーグース物語―哀しみのロイヤル・ウエディング (コバルト文庫)

マザーグースに彩られた英国ライトミステリシリーズの第3弾。
パートナーとして信頼関係を築いていくジュリアンとセシル。だんだんとタイムリミットが迫るなかで、ジュリアンに対するセシルの想いも揺れ動き始めました。そのジュリアンは今回も飄々としてるくせにやたら格好良かったです。
今回は、セシルのお母さんに絡んだエピソードでした。アッシュフォード4兄弟の家族愛に涙腺を刺激されました・・・。

☆あらすじ☆
19世紀末、ロンドン。殺人床屋に関する有名な都市伝説を記事にすることになったセシル。取材を続けるうち、床屋は実在するのではという疑惑を抱いて…!?また、アッシュフォード家に一大イベントが訪れた。皇太子妃のアレクサンドラからお茶会に招かれたのだ!あたたかい人柄と、絶世の美貌に恵まれた皇太子妃。だが、彼女の結婚生活は決して幸せではないことを知ってしまったセシルは…。

以下、各話の感想です。

 

第1話 都市伝説はお好きですか?

スウィーニー・トッドといえば、思い出すのはジョニデ。あれは怖面白かった映画でした。未だに人肉パイの衝撃はフラッシュバックします。
もっとも、こちらのスウィーニー・トッドは陽気な名前ソックリさんでしたので怖くもなんともなかったです。
この話のメインは「お母さん」でしょうね。これまでは陽気な父親の話ばかりでしたが、ここにきてセシルママのことが語られ始めました。切なくなりそうな予感。

 

第2話 海を越えた姫君たち

皇太子妃の前だろうが何だろうがブレないジェフリー兄様が素敵すぎます。
なし崩し的に友達になったアメリアは大活躍。持つべきものは社交的な友人だというのはいつの世も変わらないものです。
今回初登場のアレクサンドラ皇太子妃。Wikipediaで見たくらいですが、夫の不倫にほんとに悩んでいたようです。息子に「お父さまの様に愚かな人間になってはなりませんよ」と言い聞かせていたのも史実のようです。
政略結婚が幸福につながらないのは物語のセオリーですが、実際の人物でそれを見るのはなんとも切ない。セシルとジュリアンは政略結婚(の予定)ですが、フィクションの少女小説らしくハッピーエンドを迎えてほしいです。

すばらしく胡散臭いキャラクリストファー・リーズも登場。眼帯着用の彼は、どうもパパ誘拐の組織と関係がありそうです。このシリーズのラスボスとなるのだろうか。

降霊会に潜入取材をした後、公園で膝枕するジュリアンとセシルにほのぼのしつつ、タイムリミットを恐れ始めたセシルの心境の変化が気になります。ジュリアンと離れたくないという想いが変な方向にこじれないといいけど。

あと、カフェでカタカタカタカタとテーブル叩き合ってるカップルを想像してちょっと笑いました。

 

第3話 哀しみのロイヤル・ウエディング

表題作なだけあって、これが一番印象的でした。
ルイーゼ夫人の真相は切なすぎます。好きだった人の子供を政略結婚の相手の子として産んじゃうのはどうかとも思いましたけど、妊娠時期を考えれば妊娠していたかどうかなんて分かっていなかったんじゃないでしょうか。
もしかしたら妊娠したのかもしれない、けどもしそうなら産みたいって思っても、女としては責められないかもしれないです。旦那様はかわいそうだけど。
でもそうまでして産みたかった子供をその旦那様に見殺しにされてしまって、その復讐を果たして、それが原因で脅されて。

なんというか、負の連鎖がやりきれないお話でした。

ルイーゼに母親を重ねたセシルの心境も悲しくなったのですが、彼女の場合は愛にあふれる兄弟がいるのが救いですよね。ジェフリー兄様の飛行艇計画の動機に泣く。

パパ誘拐組織の存在感が増してきました。霊媒師を使った陰謀といい、きな臭さアップで大変面白くなってまいりました!
やっぱり第2話で出てきたクリストファーが本命でしょうか。だとしたら英国王室が危ないですね!!(ワクワク)

 

楽しくなってきました。次巻も期待します!

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