お嬢様にしかできない職業 公爵様の婚活事情


『お嬢様にしかできない職業 -公爵様の婚活事情-』(悠木美羽著/ビーズログ文庫)★★☆☆☆

お嬢様にしかできない職業 -公爵様の婚活事情- (ビーズログ文庫)
お嬢様にしかできない職業 -公爵様の婚活事情- (ビーズログ文庫)

ストーリーそのものは可もなく不可もなく、といった印象の新人作品でした。
先の展開が読めるものの難はなく(オチがちょっと気になったけど)、キャラも元気いっぱいです。
ヒロインの職業をうまく活用した展開は良かったと思います。ヒーローのほうも世間知らずの純情くんだけどちゃんとカッコイイところもありました。
ただ、文章がいまいち。読みにくくはないのですが、描写不足というかまるで台本を読んでいるような気分になる箇所が多かったです。ところどころ改行が多すぎるのも気になりました。
続きは出そうと思えば出せそうな感じですね。出ても読むかは微妙なところ。

☆あらすじ☆
眉目秀麗、聡明で剣の腕も立つ若きユーグスト・パウエル公爵は、宮廷で超がつく人気者(しかも独身)。そんなユーグが、偶然ぶつかった少女に心を奪われた! ユーグを見るなり少女は一目散に駆け去ってしまうが、あとには怪しげなメモが落ちていた。思わず中を見ると――ユーグの報告書(主に偏見的な女性趣味)が連ねられていて……!? 笑撃スキャンダル発覚!! 第15回えんため大賞奨励賞作! 

以下、ネタバレありの感想です。

 

この作品の主人公はユーグスト・パウエル公爵
彼が殺気混じりの視線を気にしている最中に出会うのがヒロインの王宮専門情報屋ラビット・ファーです。

 

登場人物紹介のヒロインの名前をみて「こんなネーミングありか!?」と驚愕したのですが、偽名でした。よかった。本名はフローデル・フィリング伯爵令嬢
貧乏貴族のラビットは、借金返済のために婿探し中の貴族のお嬢様がたに優良物件ユーグストの情報の売買をしていたところ、運悪く当のユーグに発見されてしまったというところから物語が始まります。

 

この作品は、ユーグに比べてラビットの心境とか行動とかの描写は少なかった印象を受けました。前半は交互に描写してたのに、後半はユーグばかり。そのため、途中からラビットが何をしているのか、何を考えているのかがいまいちよくわからない。
冒頭のラビットの言動は悪い意味で衝撃的だっただけに、そこから好印象に変わるほど彼女のキャラに最後までなじめなかったのは残念です。
ユーグが続出する事件にわたわたしている一方で、ラビットはさっさと犯人の当たりをつけて証拠集めやらなんやら動いていたようなのですが、それも分かるのは終盤の謎解き段階。 これって普通はヒーローの役どころなんじゃ・・・。

 

主人公のユーグのほうがよっぽど少女小説のヒロインらしかったです。
ボーイ・ミーツ・ガールにときめくのもユーグ、恋に翻弄されるのもユーグ、夜這いを仕掛けられて動揺するのもユーグ(笑)、推理を披露されて感嘆するのもユーグ・・・・・・

 

なんか不憫。

 

最後の王妃を追い詰めるシーンはヒーローらしかったですが、それくらいですね。

 

作品の本筋である連続暗殺未遂事件(?)のほうは、大したどんでん返しもなく、犯人に意外性もなかったですね。もう少しひねりが欲しかったかもしれません。
というか、機密漏洩だの密偵だのけっこうな国家反逆罪だと思うのですが王妃はお咎めなしなの?
愛人との手紙のやりとりの証拠が大量に残っているのも甘すぎる気がするんですが・・・普通すぐに燃やすものだと思うんですけどねぇ。

 

事件そのものはともかく、ユーグの不憫な純情さとラビットの反骨精神などキャラ立ちは面白い作品だったと思います。
ラビットが最後までユーグに対して恋愛感情抱かなかった(淡い気持ちくらいは出ていたようですが)のも好印象でした。ヒーローのほうは恋に落ちているのでなんだか目新しく感じました。

 

続きは出るのかなー?どうなんでしょう。ラビットが情報屋として築いたネットワークを最大限利用して犯人を捕まえるための罠をはる、という流れはとても良かったのですが、そう何度も使えるものではないですしね。王宮専門の情報屋という設定はうまく使えば面白くなりそうではありますけど。

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